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ナノキュン

たのしみ置き場

順目と逆目

ご不明な点があれば掲示板・メールなどでご質問ください。可能な限りお答えいたします。

彫刻をする際の基本である順目(じゅんめ)と逆目(さかめ)のことについて説明します。

材の名称

 基礎説明なので、まず材の各部名称について説明します。

 最初、地面に生えた状態の木から、丸太材を作ったとします。この時、最初に目にする断面が木口(こぐち)です。大木の切り株に年輪が刻まれているという光景がありますが、その年輪が見える面がまさに木口です。
 正確には、木の繊維が通る向きに対し垂直な断面を木口といいます。
 そしてそこから取り出したのが、柾目材と板目材です。しかし、この図では木口しか書いていないので、肝心の柾目と板目の面が見えません。

柾目と板目

 斜めから見下ろした図です。木の生えている向きと水平な断面に、柾目と板目は現れます。
 柾目は年輪に垂直、板目は水平の断面です。

柾目材と板目材

 図だけでは分かりにくいので実物を用意しました。かまぼこ板です。左が板目材、右が柾目材です。

柾目材と板目材

 柾目材にも木口・板目の面があります。板目材でも同様に、木口・柾目の面があります。柾目材・板目材という呼び方は、材木を板に加工して、柾目・板目の面が広く出ている場合に使う呼び方です。
 ちなみに、生えている向きに完全な水平に切らなくても、ちょっと傾いていても柾目板目は現れますが、そんなことは非効率的なので普通しないと思います。また、年輪に対して完全な垂直・水平でなくても、柾目材・板目材は取れます。丸太からの木取り法についてはここなんか詳しいですよ!!(他の方のサイトへ飛びます)http://www.escompo.co.jp/topkisotishiki.htm

順目と逆目

 さてやっと順目と逆目の説明です。まずそもそも、順目と逆目とはなんなのか。それは、木を削る時の向きで、削りやすくて面がきれいに仕上がる向き(順目)・削りにくくて面が荒くなる向き(逆目)のことです。というわけで、木の彫刻をする時は常に順目だけで削ろう!!

順目で削ったところ

 ちょっとだけ順目で削りました。順目で削ったときの削りかすは、薄い場合はぴろっとカールします。厚い場合はぺきぺきと割れながら外れます。

順目でたくさん削ったところ

 順目でたくさん削りました。このようにしゅっと削れてくれます。

逆目で削ろうとしている

 なんて無謀な!逆目で削ろうとしています。説明なのでやりますが、これはやってはいけないことです。

逆目で削った結果

 逆目はめちゃくちゃ削りにくいです。このようになります。がさがさになった上に、端はべりぃとなりました。

見分け方

 では、その順目と逆目はどのように見分けたらよいのでしょうか。
 まず手っ取り早い方法として、削ってみることです。それぞれ上記のような結果になるので判断がつくでしょう。
 しかし見ただけで判断する場合、どのように考えるのかということですが、それには順目と逆目が生まれる理由が関わってきます。
 順目は木の繊維に順じて刃を通すことです。それに対し逆目は木の繊維を外に向けて引っ張るような感じになり、はがすことに近くなるのです。
 具体例で説明いたしましょう。

柾目材の角を落とす加工

 図のような柾目材があるとします。これを、右の木目を省略した模式図のような形に加工します。

順目と逆目で削ったところ

 この際奥行きは関係ないので省略しました。
 左が木の繊維に逆らうことなく削る順目です。木の繊維は縦に通っています。木の繊維は右側に押されるような形になりますが、その右側とは、部材のうち削って残すべきところなので問題ないですね。
 必然的に、順目の逆は逆目です。逆目で削ったとき、繊維が外に引っ張られまさにはがすような形になります。図では極端な例として、外向きの力でひび割れが発生した様を描いています。

順目で削り落とせば削りかすは逆目。逆目で削れば削りかすが順目

 この順目・逆目とは、削って残す部分についていうことです。順目で切り落とされた角っこ(削りかす)は、逆目で削られたことになります。
 前項の順目で削った写真の説明で、削りかすが厚いと割れながら外れると書きましたが、これは逆目であるために起こっているわけです。  そして、残す部分を逆目で削ってしまった場合、捨てるべき削りかすの方を順目で削ったということです。

イメージ図

 ご理解の助けになるでしょうか。縦向きの木の繊維が鋭角に切断され逆目となり、順目では穏やかな角度で曲がってきれいになるというイメージ図です。

実際

球体を作る時の順目。全て木口へと向かう

 実際に彫刻作品を作ると、作品のほぼすべてが曲面です。よく基礎練習で作られる球体ですが、球体の順目はこうです。
 この時注意していただきたいことがあります。それは、この図の縦線は木目とは限らないということです。
 なぜなら、木の繊維というのは常に縦向きに通っています。順目・逆目に柾目・板目は関係ないといえます。
 ですから図の球体のように、凸面の順目は常に、繊維に水平なところから始まり、繊維に垂直な状態、つまり木口で終わります。
 前項で、「順目の削りかすは逆目・逆目の削りかすは順目」と説明しましたね。ですので、凸面の反対向きとなる凹面の場合は始点と終点が逆転します。木口から始まり、繊維に水平になったところで順目が終わります。

順目は飽くまで基本

 順目を見極めることは基本中の基本で、逆目で彫っていてはとても作業になりません。しかし、順目で彫ったからといって楽にできるわけでもありません。
 それはなぜかというと、木口の存在があるからです。木の繊維を垂直に切断するのは大変です。実際は木口だけでなく、角度が起きてきて垂直に近付くにつれ堅さが増してきます。
 例えば、八角形の鍋しきを作る際、木目が底辺と平行で鋭角が45°の二等辺三角形の板を8枚用意してはぎ合わせれば、木口を回避して側面に模様を彫ることができます。ですが立体彫刻で木寄せによって木口を回避するには限界があり、木彫りをする上では木口との闘いはずっと続きます。木肌を出したままの「木地仕上げ」という仕上げをする場合がありますがこれはもう死闘です。木口を削って木肌の美しさを出すのは至難の業です。

木口は堅い

 写真はかまぼこ板の木口を一部彫刻刀で削ったところです。削っていない部分は、おそらくのこぎりで切断しているため毛羽立っています。そして削ったところも完全にきれいになっているわけではなく、白くなっている部分があります。もしこれがお地蔵さんの頭のてっぺんだったら一大事です。
 木口の対策の方法はとても単純です。それは砥石で道具を研ぐことです。ですが欠けや刃こぼれがなくなるようにとりあえず研ぐだけなら私でもできますが、職人のように本当に切れるように研ぐのは難しいことです。
 まあ方法では解決できないこともある、といういい例でしょう。気長に研ぎの上達を目指すほかありません。

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